| A,1a 漢方薬に「煎じ薬」というものと「エキス顆粒」「錠剤」というものがあるようですが、どのような違いがありますか? |
「煎じ薬」と一口に言いましても、誤解が多いので、まずその誤解しやすい部分の説明から・・・
★漢方薬としての「煎じ薬」「丸薬」「散剤」・・・これはれっきとした法律上の医薬品「薬局製剤医薬品」として収載されている192処方を指します。
私がHP上で「煎じ薬」と表現しているものは、この薬局製剤医薬品収載漢方薬の中の煎じ薬(湯剤)のことです。
薬局としては、薬局開設許可と共に医薬品製造業許可を受けている薬局のみ製造販売する事が出来ます。
一例として |
| 葛根湯 |
| 成分及び分量又は本質 |
| 日本薬局方 |
カッコン |
8.0g |
| 日本薬局方 |
マオウ |
4.0g |
| 日本薬局方 |
シヨウキョウ |
1.0g |
| 日本薬局方 |
タイソウ |
4.0g |
| 日本薬局方 |
ケイヒ |
3.0g |
| 日本薬局方 |
シャクヤク |
3.0g |
| 日本薬局方 |
カンゾウ |
2.0g |
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全量 |
25.0g |
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| 製造方法 |
以上の切断又は粉砕した生薬をとり、1包として製する。 |
| 用法及び用量 |
本品1包を和紙袋入りのまま、水約500mlを加えて、半量くらいまで煎じつめ、和紙袋とともに煎じかすを除き、煎液を3回に分けて食間に服用する。上記は大人の1日量である。
以下省略 |
| 薬事日報社 日本薬剤師会編 薬局製剤業務指針より抜粋 |
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当薬局では、和紙包装(正式には和紙包装などというものは現在ないと思われます)で煎じて、かすを除く方法は採用せず、生薬をバラバラにして、煎じ容器に入れて煎じ、カスをこすのは、茶こしなどを利用していただくように指導しています。
和紙包装のまま煎じ容器で煎じつめても、容器の上の方にプカプカと浮いて十分に生薬が水分を吸わず、成分が抽出できない恐れがあります。
薬局で製造する物以外としては、漢方薬製造会社や卸メーカーが製造販売しているものがあります。
★民間薬の煎じ薬・・・これは法律上医薬品として認可されている薬草単味を煎じるもの。
一般の薬局、薬店でも医薬品の販売できる所で販売は許可されています。
一例:じゅうやく・十薬100%のもの(別名:どくだみ)、センナ、ゲンノショウコなど法律上の医薬品として認められているもの。
医薬品ですので、効能・効果を商品の袋に表記する事が出来ます。
★お茶として・・・医薬品ではありませんが、民間に広く使われてきたものです。袋には効能・効果は表記できません。
一例:はと麦、はぶ茶、スギナ、ウラジロガシ、ナンバ毛、柿葉、タラコンピ、アララギ、等々
法律が変わり、上記の「どくだみ」を少量入れて、はと麦やハブ茶などと混ぜたものも「どくだみ茶」と販売してもよいようになりました。ただしこの場合、たとえば100gのお茶に10gの「どくだみ」が入っていても「どくだみ茶」と表示してもよい事になりなります。
医薬品としての「どくだみ」は100%のものを言います。 |
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| A,2a 煎じ薬とエキス顆粒とは具体的にどういうものですか? |
お客様にお伝えしている内容を書いておきます。あくまでも私の個人的な言葉で、薬事法上の表現ではありませんが、その方が分かり易いと思います。
★『煎じ薬』とは・・・
『煎じ薬とは、薬草を処方にのっとり組み合わせたものを、「土瓶」や「やかん」などで、30分ほど煎じ煮詰めたものを、かすをこして服用する薬です。』
電気式煎じ器も販売しております。
欠点は、においや味がはっきりしていて、人によっては服用しづらいということ。作るのに時間がかかるなど面倒な部分があります。
長所は、効果が他の商品よりよい場合が多いこと。他の処方と合わせやすく、当薬局では合わせても価格的にはそれほどあがることは少ない。
★『エキス剤』とは・・・
『本来煎じるべき漢方薬を、製薬メーカーにより、インスタントコーヒーの製法に近い方法により、エキス顆粒状にしたもの。顆粒状の薬を水、またはお湯(こちらのほうが良い)でそのまま、あるいは溶かして服用します。』
長所はとにかく服用しやすいこと。携帯性もあります。
欠点は、処方(薬の種類)に限りがあり、すべての処方がエキス剤であるわけではなく、工夫をつけにくい。
その為、数種類の漢方処方を併用することにより、顆粒剤とはいえ、比較的量の多い薬を飲むことになる。
また、メーカーによりあらかじめ製造されているものゆえに、一つ一つの漢方薬の値段の仕入れ値が、煎じ薬より高くなっているものもありますので、複数処方の場合は価格が高くなることがあります。 |
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| A,3a では煎じ薬とエキス顆粒、錠剤の効き目の違いはありますか? |
当薬局で使用しているエキス顆粒剤は満量処方(煎じ薬と同量の生薬を使用)のものを中心に採用しているので、比較的煎じ薬とエキス顆粒の差が少ないように思います。
処方によっては半量処方(煎じ薬の半分の生薬の使用量)のメーカーになります。
私はそれほど煎じ薬にはこだわらず、当人がきちんと服用できるものが良いと考えています。
ただし、煎じ薬の方が良いと思えるものは、ご相談の返信メール時におすすめしております。
基本的に専門書や漢方の本に書いてあるとおりに書くと、煎じ薬の方が「気剤」と呼ばれる「香り」の成分が明らかに残っており、効果が優れている、という事になります。
錠剤は一般用漢方のイメージが強いと考えて私の薬局では積極的に採用はしていないのが現状です。
ただお客様のご希望により、お取り寄せいたしております。
内容的には、煎じ薬、エキス顆粒の半量〜1/3くらいのものになると思われます。
錠剤はおそらく、一般薬局、薬店で販売されることを前提にされて作られているのではないかと私は考えております。販売するほうも知識的に十分でない場合でも、より副作用が出にくい生薬量を使用しているのではないでしょうか?
効果の強さでいうと下記のようになると思われます。
煎じ薬≧エキス顆粒剤>錠剤 |
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| A,4a 漢方薬は副作用がないと聞きましたが安全ですよね。 |
『漢方薬に副作用がない』と、私はお客様にアピールして販売した事はありません。
また漢方の専門書はもちろんの事、普通に書店で販売されている漢方の本にも、『漢方薬には副作用はありません』と書いてあるのを見た記憶がありません。
おそらくどなたかが間違って言い出したことだと思います。
かといって、それほど気にすることもないと考えています。
副作用はありきたりなものから、一時新聞などで騒がれたように小柴胡湯による間質性肺炎による死亡例のように重大な副作用まであります。
決して小柴胡湯が危険な薬とは私は思っておりませんが、漢方が保健で適用できるようになり、あるメーカーが肝臓病に小柴胡湯という宣伝を大々的に医療機関にしたためでしょうか、患者さんの体質を無視したと思われるほど、全国で非常に大量に処方された結果、副作用が目立ったものと思われます。
その副作用の理由は、色々な説が出ております。一種のアレルギー説(オウゴンが怪しいと考えられた)、処方の性質上、燥性が強いから当然起こるべくして起こった副作用とか言われたこともあります。
ただその結果、悪いことだけでなく良い方向性も見られました。
◎インターフェロン使用者には併用しない。
◎肝硬変の人、もしくは慢性肝炎で血小板数が10万以下の場合には使用しないなどの注意点が分かってきました。
一般的には、それほど重大な副作用は見られないように思います。
よく知られているいるものとしては、甘草の含まれている処方には必ず書かれている『偽アルドステロン症』というもの。
よく知られているものについては、比較的軽度で、たいていは服用を中止するとしばらくして良くなるものがほとんどです。
偽アルドステロン症についても、日本の漢方家では、古くから五苓散か真武湯を服用すれば良くなると書いてあります。
長くなりましたが、漢方だからといって副作用もないという誤解で、手当たりしだいなんでも服用してもよいものではありません。
服用してみて、おかしい症状が出てきたら、一旦中止してご相談されることをおすすめいたします。 |
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| A,5a よくHPや雑誌の健康食品などの広告で、自然の食品、自然の薬草だから副作用もなく安全といっていますが・・・ |
これも、上の「A,4」と同じ答えで、そんな理由は全く通りません。
何らかの好ましい作用を期待して使用しますが、作用するものには好ましいものと反する作用(副作用)も当然あると考えるのが普通です。
厳しい表現で申し訳ありませんが、無知をさらけ出しているようなHP、広告と言わざるを得ません。 |
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