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肝臓病は怒りっぽい?
  しばらく肝臓の話が続いています。肝臓を漢方の話でかくと、少し難しくなりますが、少し書いておきましょう。

漢方でいう五臓六腑は現代医学でいうものと同じところもありますが、まったく概念が違うものもあります。当然漢方の肝と胆は、現代医学の肝臓、胆のうという意味もありますが、また違う概念も含まれます。 肝の主な機能は「疏泄を主る」「血を蔵す」「筋を主る」と言われます。疏泄というのは、『気』の流れや働きの調節・精神情緒活動(これらは現代医学では自律神経関係と考えていいと思います)、胆汁の分泌と排泄などの意味です。

蔵血は血液の貯蔵と血流の調節。筋をつかさどるとは、肝臓が全身の筋肉、筋膜などと関係があることを言っています。もともと西洋医学には『気』の概念がありませんし、胆汁分泌、排泄以外にはあまり合致するところがありません。こういうところに漢方の考え方が西洋医学になじめないところあるのかも知れません。

たとえば、前回の処方で『小柴胡湯』が肝臓病によく使われると書きましたが、自律神経失調症、いらいら、気分がすぐれないなどの神経症状に使用したり、胃腸薬として使ったり、風邪に使ったりすると言うと不思議がるのです。もともと『小柴胡湯』という処方が書かれてある原典の『傷寒論』は簡単に言えば風邪など急性感染症の治療の理論と実践の書です。
話がずいぶん脱線しています

肝・胆は五行説でいうと、『木』に属します。木は春になると新芽を出し、そしてすくすくと伸びていくのが本来の姿です。その伸びやかさが邪魔されたりすると、たいへん窮屈になってしまいます。その状態を漢方では 肝の気の鬱結、すなわち肝鬱(かんうつ) と言っています。 肉体面の症状としては、わき腹部分、乳房などが張った痛みなどが出ます。胃腸症状もあります。上腹部痛、吐き気、嘔吐、ゲップ、食欲不振、胆のうでは黄疸、口が苦いなどが多い症状です。実際これらは肝臓病や、風邪をこじらせた時によく見られる症状でしょう。
さてそれが神経系で現れますと、抑うつ感・いらいら・怒りっぽいなどの情緒の異常が出てきます。(やっとタイトルと意味がつながりました)
次回も話は続きます。
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2002年7月
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