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こむら返りと漢方
  今回も肝臓の続きです。前回は肝・胆の『気』の働きとそれが阻害された場合の症状を書きました。今回は肝のもう一つの大きな働きである『肝は血を蔵す』『肝は筋を主り、その華は爪にある』という事を書いて見ます。漢方では『肝』は血液を貯蔵し血流量を調節しているという働きがあるとされています。この機能が阻害されますと、全身の各器官の栄養が十分でなくなり、問題が出てきます。

血が目を養えないと目がかすむ。目の乾燥感や異物感、夜盲などの目の症状。

血が筋肉を養えないと筋肉の痙攣や運動が不十分(筋肉の引きつりが原因)。

血が女性系の器官に十分行き渡らないと、月経量減少、無月経。逆に血を蔵する機能低下で、月経過多、不正性器出血などを起こします。

『肝は筋を主る』というのは、全身の筋肉、筋膜の運動が肝に関係している事を言います。
先に書いたように、筋肉に十分な栄養が与えられないと、手足の引きつり(こむらがえり)、手足のしびれ、曲げ伸ばしが不自由になったりします。この場合脳の障害がないという前提です。それで慢性の肝臓病の方は肝の血が不足している場合が多いので、よく「こむらがえり」をよく起こします。これはふくらはぎにかかわらず、ちょっとしたことで様々な場所の筋肉が引きつる事が多いです。
ところで、「こむらがえり」のもう一つの大きい原因があります。身体の余分な水分の悪さ(水毒)です。朝方の冷える時間帯によく起こします。よくなって困っている人は、原因を考えて治療した方が楽ですね。

『爪は筋の余たり』と言われます。爪は筋肉の余り?というわけです。爪はカルシウムで出来ていると思われがちですが、実はたんぱく質(ケラチン)で出来ています。ですから、肝の血が十分で栄養が行き渡っている時には、ピンク色で爪の質もしっかりしていますが、不足してきますと、爪の色艶も悪くなり、質ももろくなってきて「ささくれ」やすくなりますので、肝の影響は爪に出ますと言われます。

ところで、このような事は現代医学の血液検査でわかるのか?というと、実はそういう検査はありません。肝臓の検査数値で有名なGOTやGPTというのは、肝臓の細胞が障害を受けた時に出てくる酵素を測定しています。肝臓の栄養状態の低下や前回の『気』の鬱滞を表わすものがありません。このあたりは漢方の分野です。
肝臓の気になる方は、どうぞご相談ください。

2002年8月分
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