さわやかな秋も過ぎ、はや冬の気配が感じられます。空気が乾燥してきますと悪化してくる病気の一つに、次のような皮膚病があります。
◎ 老人性皮膚掻痒症 ( 老人性皮膚そうようしょう )
老化現象の一つとして、皮膚の栄養や新陳代謝が低下してきて起こる病気です。皮膚は乾燥状態で、隣屑があり、白い粉が落ちるようなことがある。かゆみがかなりある。はっきりとした皮疹 ( 皮膚のブツブツ ) は少ない。赤みも少なく、あってもわずかの場合 が多いようです。軽い場合は冬場だけかゆくなったり、お風呂やこたつで暖まった時にかゆくなったりします。皮膚表面が乾燥して、粉がふいたような状態でかゆみがあるのが特徴です。名前のとおり、ある程度お年寄りの方に多い皮膚病ですが、新陳代謝の低下する甲状腺機能低下症の人や、病後や無理なダイエットによって栄養状態が悪くなった場合にもよく似た皮膚病があらわれることがあります。 ( この場合は老人性皮膚掻痒症という病名は不適切とは恩いますが… )
漢方的には、血虚・血虚生風・陰虚などを考え、温清飲・当帰飲子・六味丸・その他滋陰清熱薬・駆お血剤などを使用してよい結果が出ています。
◎ 乾癬 ( かんせん ) ・尋常性乾癬
この皮膚病は別に季節に関係ないと思いますが、頑固で治療の難しい皮膚病であります。漢方を使用して、良い結果が出ておりますのでお知らせしておきます。頭・ひじやひざ・尻部などに多く見られますが、全身どこにもできます。円形の紅斑 ( 赤い熱をもった斑 ) ができ、やがて銀白色のフケ状のかさぶたみたいな皮で おおわれます。しだいに大きくなりますが、正常な皮膚との境界ははっきりしていいます。経過は慢性的で、一進一退を繰り返す状況にあるようです。乾癬で悩む何人かの相談を受けましたが、割合効果が良く喜ばれています。処方の選定や指導でなかなか根気よくやっていかなくてはなりませんが…。
最近、和歌山の南紀の方が紹介で来られ、尋常性乾癬でした。
それがとてもひどい状態で、顔と手首から先、足首から先以外は全身紅斑でおおわれ、西洋医学はもとより漢方薬をふくめ様々な健康法を実行したが良くならなかったが、もう一度ちゃんと漢方をやりますということで来店されました。何度か処方(内服薬と外用薬)を変更をいたしましたが、結果は私も思いがけないほどに早くよくなり、今では皮膚病になるまえより皮膚がきれいだと喜ばれています。まずはめでたし、めでたしということになりました。
1994年 |