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様々な病気と漢方
 
卵巣嚢腫・子宮内膜症と漢方

  少し前になりますが、私の大好きな歌手、宇多田ヒカルさんが卵巣嚢腫という病気で腫瘍を摘出するという事がありました。その後のホルモン療法で体調を崩し、記事などでは今だに体調がすぐれないように読みました。個人的にとても残念に思います。

  近年、この卵巣の腫瘍や、子宮内膜症(成人女性10人に1人が子宮内膜症と聞いています)になる女性が急増していると言われています。最近の新聞に、岡山大学医学部産婦人科工藤教授グループが子宮内膜症の患者さんの腹水に環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)として影響を懸念されているビスフェノールAという物質が普通より多く存在し、病気の悪化と関係していることを突き止めました。
どうして急激にこの婦人病が急増しているのか?どうやら環境問題とは無縁ではないという感じがしてまいりました。ということは、今後においてもまだまだ増えるだろうと想像されます。

子宮内膜症をインターネットで調べますと、『子宮内膜と似た組織が、卵巣、卵管、腹膜などに発生する原因不明の病気です。強い月経痛に悩んでいる患者の7〜8割は子宮内膜症の疑いがあると言われています。この毎月増殖する組織は、月経血のように体外に排出されず、体内にたまっていきます。病変が最も多く生じる卵巣では、古い血液が変性してチョコレート状になり腫れる(チョコレート嚢腫)ができることもあります。また、卵管や腹膜では周囲の臓器と癒着して不妊の原因になります。』と言う風に書いてありました。

それ以外に私の患者さんで経験した事の中には◎排尿後痛 ◎排便後痛 ◎胃痛・腹痛など婦人科系以外の場所の痛みを訴える人が割合いました。
これらは特に、月経の始まる約2週間前から(ちょうど排卵期にあたります)ひどくなってくるようで、月経期ぐらいには治まってきますが、そのときは月経痛が激しく女性を困らせています。

これらの原因は、特に痩せ型の女性は内臓下垂の人が多く、骨盤あたりに胃腸やら婦人科器官やらが非常に接近して存在するため、子宮内膜様組織が増殖した時に、胃腸や膀胱にもその周りに付着、癒着した結果、おしっこや排便した後、その周りの筋肉が引き攣れて痛むのではないかと自分なりに考えております。実際に、子宮内膜症で漢方薬を飲んでいただいている方で上記の症状が取れている人がいますので、あながちこの仮説は間違っていないように思っています。 普段の注意としては、『冷え』は筋肉をちぢませ、引きつらせる性質がありますので外面的にも、内面的にも冷やさない事が痛みを少しでも和らげるコツです
お困りの方は是非、漢方をお試しください。

2002年10月分

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子宮内膜症にロイコトリエン拮抗薬で軽快

(2004年12月19日読売新聞記事より)
日記帳に書いた内容をここにコピーして残します。

2004年12月19日  子宮内膜症が抗アレルギー薬で緩和
(読売新聞(2004年12月19日大阪)の記事より要約します)

私のHPでもよく取り上げている、最近増えている女性の病気『子宮内膜症』。
この子宮内膜症の痛みなどの諸症状の緩和に、抗アレルギー薬の 「ロイコトリエン拮抗薬」 が有効であるとの記事がありました。
記事の要約は以下のようになります。

大森赤十字病院(東京)産婦人科医師の内出一郎先生と、栃木臨床病理研究所長の菅又昌雄先生らは、子宮内膜症の発症にアレルギー反応が関与している可能性があることを動物実験で確かめた。
アレルギー反応にかかわる「肥満細胞」という特殊な細胞が異常に増えている事がわかった。メカニズムは今の所は不詳だが「卵管を通って月経血が逆流し、アレルギーを起こしているのではないか?」というふうに仮説をしている。
そうであれば既存の抗アレルギー薬が有効ではないかという事で、気管支ぜんそくをもつ患者約100人に抗ロイコトリエン拮抗薬を服用してしてもらったところ、約8割で月経痛の改善や月経血量の正常化が見られたそうです。妊娠した人が次々と出てきており、妊娠を希望する患者に適していると話しています。

子宮内膜症の組織内では肥満細胞が多く見られ、アレルギー反応(脱顆粒現象:何らかのアレルギー刺激を受けて細胞膜が破れ、ヒスタミンやロイコトリエンなどの炎症性化学物質がばらまかれる現象)がおきている。
抗アレルギー薬、中でもロイコトリエン拮抗薬が効果的ということである。
代表的なロイコトリエン拮抗薬としては次のものがある。(基本的にぜんそくの管理薬として用いられる要処方薬である)

◎一般名 プランルカスト  商品名 オノン
◎一般名 ザフィルルカスト 商品名 アコレート
◎一般名 モンテルカスト  商品名 キプレス、シングレア

ぜんそくの発作を予防する薬として数年前から使われだした薬で、保険調剤をしている薬局薬剤師なら知らない人はいないだろうという薬です。

ぜんそく薬としては、病院では保険が適応するが、この子宮内膜症には適応外なので、原則として保険がきかない。
まだ始まったばかりの治療で、本当に有効かどうかは、これからさらに大規模な調査が必要と締めくくっています。

私は個人的に、免疫異常が最近の多くなってきている病気の大部分をしめる原因となっているのではないかと考えている一人なんですが、上記の仮説もアレルギー反応(免疫異常の一種)の説明となっています。

現代医学の子宮内膜症の原因の説明には、下記のようなことが一般に言われています。

★子宮内膜は排卵後(月経のはじまる約2週間前)から月経が始まるまで内膜が子宮の中に出来ます。私の話では、簡単に、仮に受精卵が子宮に到達した際に居心地よくおられるようにベッドを作っていると説明しています。それが妊娠しない場合には、月経時にははがれ落ちるのです。
さて、昔はお子さんを生む回数が多く、3〜5人なんていうお子さんは普通でした。ということは、女性が妊娠して、出産する回数が多いとなると、一生における生理回数も現代の女性より少なくなります。そのため子宮内膜を作る回数も昔は少なかったという事になります。

また現代の生活スタイルからは、女性の出産年齢も昔に比べ遅い事が多くなってきています。そのため出産にいたるまでの生理回数が多くなり、当然子宮内膜の作られる回数も多くなります。 生理の回数が多ければ多いほどこの病気の可能性が多くなるというのが、現代の婦人科の考え方のようです。

それは十分理解できるのですが、最近は子宮内膜症の女性のご相談でも、18〜19歳というお若い方も増えてきています。
これはすぐ上の説明ではちょっと考えられないことではないかと私は考えています。

というような事で、この表題のアレルギー反応という仮説は受け入れられやすいと思い今回は記事に書いてみました。

私は漢方で、子宮内膜症に対処しているのですが、ひょっとすると抗アレルギー薬の併用で数段の治療効果がアップするのではないかと期待しています。副作用少なく、患者さんにとって良い治療が望まれますね。

ちなみに、現代の子宮内膜症の対応は、ホルモン療法により閉経状態にする(更年期障害のような副作用)、あるいはそこまで行かなくても、低用量ピルによる妊娠しているような状態にして月経を止め、子宮内膜を作らせない状態を維持する。すなわち排卵を抑制することになります。
またどうしようもない痛みなどの場合には、内視鏡手術による癒着部分を削除して取り除く方法がとられますが、いずれ再発する可能性もあるので、いざという場合に行う方法と考えてよいと思います。

今回のこの新聞記事の、子宮内膜症にロイコトリエン拮抗薬を使った試みは、大森赤十字病院だけで行われているものかもしれません。一般の病院では受け入れられるものではないかもしれません。
これを読んで興味の持たれた方は、すぐに受けられる治療ではないかもしれないことをご理解ください。 気管支喘息と子宮内膜症を両方お持ちの方 は、これらの薬を使ったあとの子宮内膜症の程度の変化をよくみてください。私にその内容をお伝えいただければさらにうれしいことです。

★追加
新聞上での説明では、ロイコトリエン拮抗薬が気管支喘息にのみ適応があるようになっていますが、上の3種類のうち、ザフィルルカスト(アコレート)と、モンテルカスト(キプレス、シングレア)は気管支喘息にのみ適応症を持ちますが、 プランルカスト(オノン)は気管支喘息とアレルギー性鼻炎にも適応を持ちます

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お客様からの実例報告がありました。
健勝堂薬局からのコメントもつけました。

30代前半の既婚女性の、 PMS(月経前症候群) についての報告です。 
漢字、文章の言葉遣いの部分のみ変更を加えてありますが、基本的に原文ままです。

 
私は以前から生理不順がひどくて一定の周期などはなく、 28日ぐらいの時もあれば、45日ぐらい の時もありました。
生理痛は、人と比べることができませんので、よく分かりませんが、痛み止めなどを使わないで我慢できる範囲でした。

  しかし、生理よりもPMSが酷くて、とても辛かったのです。
腰痛、下腹部痛以外にも、頭痛、吐き気、めまい、胃痛、下痢又は便秘(その繰り返し)や、体の浮腫みや、倦怠感、イライラや情緒不安定な状態になって、誰とも話したくなくなったり 、 仕事もする気にはなれないし、それどころか、何かに失敗すると体も怠いし、生きていくとそのものが嫌になって、死にたいような気分がします。
その反対に、攻撃的になったり、馬車馬のように働いたり、いように食欲が湧いたりもします。
そんなに落ち込んだり、ハイテンションだったりするのですが、生理が来るとだんだんといつもの自分に戻るのです。
自分なりに月見草オイルのサプリメントなどを飲んでいたのですが、いつも購入していた月見草オイルの商品が購入できなくなって、何か別の物をを試してみようと思いました。

私は植物やハーブが好きだったので、漢方の先生に相談しました。
冷え性だったので、そのようなことも相談しました。
先生が、お薬の飲み始めは、生理の出血の感じが違うかもしれませんよ。子宮内膜症にもよいと言っていたので、血の塊みたいなものが出てくるかもしれませんとおっしゃっていました。

婦人科では、内膜症の検査をしたことが無いのですが、30前半で出産経験のない私にとって、内膜症は気になる病気ですので、内膜症の予防になればと思いました。

薬を飲み始めて最初の生理は特にいつもとかわりが無かったように思いますが、2回目の生理の時は、出血の色が茶色っぽくくすんでいて、血の塊みたいなのが出てきました。

月経周期は依然不安定なままでしたので、私の体質に合わせて処方を変えて、さらに続けました。 
その後も、お薬を飲み続けて、大きな変化には気が付きませんでしたが、四ヶ月くらいたった頃、PMSの諸症状に煩わされていない、自分がいました。

思い出してみれば、三ヶ月目くらいから緩和してきた気がします。月経周期は精神的に何かあるとずれることがありますが、34日ぐらいで安定してきています。
生理周期の安定も大切なことだと思うのですが、なによりPMSが緩和されたことが何よりです。

最近は、以前より生理痛そのものも楽になってきているような気がします。
このお薬を処方してすぐの妊娠した女性がいるというお話を聞きましので、しばらくは仕事をしたいのですが、妊娠しやすい状態を作るためにも続けていこうと思いました。

2004年4月に報告いただいたものです。
 
健勝堂薬局から

こちらの女性は、HPを書き出した当初からの患者さんで、私のHPに寄稿したいという申し出が早くからありました。ずいぶん前に寄稿文をいただいていたのですが、載せるのが遅くなりました。

さて、服用している期間はすでに1年以上になっています。当初は書かれていますように3ヶ月くらいまではあまり変わりがないように思います。
自律神経的に不安定なところがみられており、これが生理前の期間に集中していることから、PMS(月経前症候群)と判断できます。

大きくは3度ほど処方の変更をしていますが、実は大体はベースにしている処方は同じです。ハーブや薬草にも詳しいお方でしたが、仕事上、煎じ薬は無理ということでエキス剤で通しています。

当初、『胃痛には効果が感じられみたい』と、別のメールでいただいていましたが、実は最近の数ヶ月は胃痛に関する悩みをしばらく聞いておりません。案外気づいていないのかも知れませんね。
これからも、仕事にも家庭のよき奥様としても、健康で素晴らしい女性であってほしいと願っています。
 
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