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老化と漢方その1

高齢化社会を迎えたわが国の現状は、私の周りを見渡しても本当に深刻な状態になっていると思われます。ご高齢者本人のご病気の苦しみのみならず、その状態によっては介護に大変な経済的負担、家族のご苦労が生じています。
そこで老化からくる体の衰え、また現実にすでにご病気になっているご高齢者の QOL(生活の質)の向上に漢方薬が役立つと期待されていますので少し書いていきたいと思います。

ご高齢者の特徴は一人で多くの疾患を持ち、また慢性的な疾患が多く、病気に対する抵抗力が低下していることなどが上げられます。漢方ではそうしたことをふまえご高齢者の全身の活力を高め、免疫力高める方法を考えて処方を選択していきます。当然服用期間は長く続けていくことになります。

@ 老化予防と病気に対する抵抗力をあげる代表

八味地黄丸 (八味丸も同じ)が代表です。

漢方で言うところの『腎虚』の状態に使用します。先天の生命力が弱まった状態です。加齢に伴い様々な現象が起きてきますが、たとえば老眼、白内障などの視力低下、腰痛、下肢無力、夜間多尿(昼間少ない)、前立腺肥大、老化に伴う動脈硬化、その他糖尿病などに応用されます。
50才を越えたらもうお勧め年齢かと思われます。

ただこの八味地黄丸は地黄という生薬が使用されており、この生薬の性質上胃腸の負担を感じる人には使いにくく、飲んでみて食欲がなくなったり、下痢するような人は違う手を考えなければなりません。漢方の専門家ならある程度その人を見て判断できますのでよく相談してください。 胃腸が弱いタイプで八味地黄丸系統が飲めない人は、腎の先天の気を補充する次の脾胃 (胃腸)の働きを助ける方法が良いでしょう。

A 消化吸収力・免疫力を高める。
漢方で言うところの『脾胃』は後天の本と言われ、先天の本の生命力を補充して補強・維持させていく働きがあると考えられています。よってその胃腸の働きが衰えている人は『補脾薬』を中心に体質の改善をしていきます。そうすることで先の八味地黄丸系統も摂れるようになる人もおられます。同時併用が理想と考えています。

ご相談はお気軽にどうぞ。

平成12年8月分

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