痴呆症を老化と一緒に語るのは、本来間違っていることを最初に断っておきます。
痴呆症はアルツハイマー型痴呆や、脳血管障害型などの病気ですが、いわゆるボケは正常な老化による知的機能の低下 (良性?の物忘れ、反応速度の低下など)のことで、年齢を重ねることでいずれほぼ全ての人にやがて訪れるものです。その判断は当然医師がいたします。 ただ脳動脈硬化型もあるのでここにいれました。
漢方が痴呆症に効果があるということは、漢方家よりも現代医学の科学的な研究で実際に作用することが判り注目されています。特に女性は閉経以降 (更年期)女性ホルモン欠乏により骨粗しょう症の急速な進行と高次元精神活動の低下(極端な場合アルツハイマー型痴呆)を招きやすい傾向があります。そのアルツハイマー型に当帰という生薬が主薬の当帰芍薬散という漢方薬が有効なことを北里研究所が発表しました。といってこれを読んでいる人で『これは買いに行かねば!』と決してあせらないで下さい。アルツハイマー型と判断するのはお医者さまですから…。またアルツハイマー型には最近進行を抑制する新薬が出ており、病院で処方されています。
またある植物のエキスが有効ということで脚光を浴びています。外国では医薬品になっておりますが、日本ではあくまでも食品ということで、詳しいことは薬事法違反になりますのでここでは説明は差し控えさせていただきます。
アルツハイマー型以外のものに脳動脈硬化型などがあり、漢方ではよく患者さんの体質を考えながら処方選択していきます。特にカギカズラという生薬は脳血流を良くし、脳動脈の攣縮 (痙攣)を防ぎ、抗うつ作用もあることがわかっており、それを含む漢方処方は実際に痴呆症にかなり有効と思われます。
以前テレビで「痴呆と漢方」の特集番組があり、入院するほどの病状でしたが、改善して自宅に帰っている例も紹介されているのを見たことがあります。ただ一般にはなるべく早い段階、なんとなくおかしいという段階で使用したほうがずっと成績は良いのです。
当薬局でも大変喜ばれた例があります。ただ継続服用しておかないとまたゆっくり逆戻りするようです。さきのカギカズラを含む漢方薬は、効かすためにはチョッとしたコツがあります。
お困りの方はご相談ください。やってみる価値はあると思います。
1999年9月分 |